屈斜路湖~国内最大のカルデラ湖Lake Kussharo
自然豊かな国内最大のカルデラ湖
屈斜路の語源は、アイヌ語で湖や沼の出口を意味する「クッチャロ(のど元)」に由来します。世界でも有数の大きさを誇る屈斜路カルデラに位置する、国内最大のカルデラ湖です。
火山活動から生まれた湖だけあって、湖畔には多くの温泉が湧出。野趣あふれる露天風呂が点在するほか、蒸気の噴出する珍しい場所、温泉熱を活用した農業用ハウスや大型ホテルなどもあります。また12月頃から徐々に結氷が進み、3月頃まで全面結氷した姿をみることもできます。
屈斜路湖の魅力は何といっても圧巻のスケールと親しみやすさ。北海道らしい雄大な風景が広がりながらも、湖畔を訪れる人々を優しく内包する大らかさが多くの人を惹きつけます。また、巨大な湖にも関わらず水がとても美しいことも、特徴のひとつ。水源の8割が湧き水であるとも言われています。美しい水を求めて、夏にはキャンプやカヌー、ヨットなどのウォータースポーツを楽しむ人々が、冬にはシベリアからの旅人であるたくさんの白鳥たちが、この湖に集います。
屈斜路湖DATE
・大きさ…79.7平方km(周囲57km)
・水深…最深125m
・標高…湖面の海抜121m
・日本最大のカルデラ湖
・淡水湖内では日本一大きい島(中島…周囲12km、面積5.7平方km)を有す
和琴半島
屈斜路湖の南側に突き出た、ひょうたんを半分にしたような形の和琴半島。地熱が高く、地球の鼓動を感じることのできる不思議な場所です。コバルトブルーの湖を望みながら半島をぐるりと一周できる「和琴自然探勝路」の一周は、約2.5km。巨大なカツラなど大木の鎮座する豊かな森の小路は、湖をわたる風の音や、天然記念物に指定されているミンミンゼミなど虫の声が心地良いだけでなく、貴重な高山植物が間近に見られる花の小路としても人気があります。突端では、大地から噴気の上がる「オヤコツ地獄」を見ることもでき、大地の息吹を体感できますよ。
半島にはキャンプ場が2つあり、夏の間はカヌーや釣り、水遊びなどを楽しむ人たちでいつも賑わっているほか、誰でも入れる無料の露天風呂もあります。
◎詳しく見る
釧路川の流れ出し
屈斜路湖に流れ込む河川はいくつもありますが、流れ出る川は釧路川だけ。屈斜路湖は釧路川の源なのです。湖から流れ出た美しい水は、原始の森の中を蛇行しながら流れ、釧路湿原を経て太平洋へと注がれます。その全長は154km。日本には109の一級河川水系がありますが、釧路川は流れ出しから河口まで、ダムや堰がひとつも無い珍しい河川としても知られ、多くのカヌー愛好者を惹きつける名川です。
自然が創り出す冬の芸術
冬、時に氷点下20℃以下にまで冷え込む屈斜路湖。寒さの厳しくなる1月から2月にかけ、湖面はすっかり氷に覆われます。全面結氷する湖としては、日本一の大きさです。
結氷した湖は、カルデラ全体がスピーカーのようになり、不思議な氷の音楽で満ちる不思議な日が数日続きます。その後、日中と夜の気温差で氷が収縮・膨張を繰り返し、やがて道のように盛り上がるのです。これは『長野県諏訪湖の御神渡り』と同じ氷丘脈という御神渡り現象。屈斜路湖の御神渡り現象は高さ2m・長さ10kmにも成長することがあり、まさに日本一といえるほど壮観です。
湖畔の木々や岩などには、冷たい風に巻き上げられた湖水が凍りついて成長した「しぶき氷」を見ることもできます。きらきらと輝き、ひとつとして同じ形はありません。寒さが生み出す自然美は、季節限定のアート作品なのです。
屈斜路湖の伝説
ダイナミックな自然の変容で人々を魅了する屈斜路湖には、数々の伝説があります。
例えば、大アメマスの伝説。これは湖に棲む暴れ者の大アメマスを、アイヌの英雄オタシトンクルが退治した時に、暴れる大アメマスを近くの山に縛りつけたところ、山が抜けて湖にくずれ、それが中島になったというもの。今でもこの付近で地震が起こるのは、崩れた山の下敷きになった大アメマスが暴れるためだといわれています。
また、屈斜路湖にいるらしい怪獣「クッシー」も、今なお人々のロマンをかきたてる伝説として知られています。この噂は、昭和48年に排水工事をしていた作業員数名から、岸辺を泳ぐ巨大な2体の物体の目撃情報が寄せられたことに端を発します。その後も多くの発見情報が寄せられ、テレビ取材や調査班が来るなど一時はクッシーフィーバーに沸きました。穏やかな水面を泳ぐ体長5~30mの黒い物体の目撃情報は、一時に比べずいぶん少なくなりましたが、今でも時折耳にすることがあります。もしかしたら、今でもどこかに・・・?
基本情報
- 所在地
- 北海道川上郡弟子屈町屈斜路湖
- 電話番号
- 015-482-2200(一般社団法人 摩周湖観光協会)