2018.01.01

 先月号で紹介した“北海道国郡全図”(明治2(1869)年完成)は縮尺が小さい地図ですが、松浦武四郎は縮尺の大きな地図を完成させています。

 「東西蝦夷山川地理取調図」(安政6(1859)年)は、蝦夷地を26枚の地図に分け、山や川の位置、地名を細かに記しています。テシカガは13枚目のところで描かれています。

 写真は、武四郎の生誕地・三重県松阪市の「松浦武四郎記念館」が所蔵する資料のうち、国の重要文化財に指定された資料を複写して、昨年10月に松阪市民の方々が武四郎の足跡を訪ねる旅で弟子屈を訪れてくれたときにいただいたものです。

 現在では弟子屈も開発が進み、アイヌ語地名の意味や場所を特定することができないところがあります。しかし、アイヌの人たちがそこにどんな思いで地名をつけたのか解き明かすことは、自然界で起きたことや生活の歴史を知ることにつながり、ここに生きる者にとって大切なことです。

 武四郎が書き記し残してくれた地図は、弟子屈にとっても貴重な文化遺産なのです。

てしかが郷土研究会(松橋)