2018.01.01

 初日の出を見て「良い年でありますように」と皆が願うものだ。そんな朝に外へ出てみると、目の前にキラキラした輝きを見ることがある。空気中の水分が凍り、そこに太陽の光が反射して見えるダイヤモンドダストだ。気象条件にもよるが、マイナス10°Cを越えるあたりから発生する。冷え込む朝晩に、身近に発生しているが、なかなか気づかない。

 川湯では「ダイヤモンドダスト in KAWAYU」という冬祭りが行われているが、このイベントでは人工的にダイヤモンドダストを発生させることができる。温泉熱により蒸発した空気中の水分を、ドライアイスで刺激してダイヤモンドダストを発生させるもので、川湯のしばれを利用したイベントだ。前回は「ゆきあかり」をメーンテーマにして、約1,000個のスノーキャンドルを点灯。雪明かりで温泉街が彩られた。ロウソクに照らされた雪の色合いは、寒さの中で暖かさを感じるものだ。

 霧氷は枝に雪や空気中の水分が付着し成長したもので、冬に樹木が花をつけたように見え、一瞬の輝きを見せる。霧氷が朝日を受け、白い樹形と青空のコントラストがつくり出す風景や、夜間の冷え込みで釧路川の水分が蒸発して、けあらしとなり霧の中に浮かぶ風景など、氷と雪がさまざまな極寒の風景を作りだす。

 屈斜路湖では全面結氷後、夜間の冷え込みで氷が収縮して亀裂が入り、昼間の気温上昇で氷が膨張し圧力がかかり、せり上がって氷丘(ひょうきゅう)ができる。高さは数十センチから1メートルを超えることもあり、長さは数キロにもなる。まさに寒さの力技である。

これからの季節、オホーツク海の流氷が接岸し、屈斜路湖・摩周湖も結氷し青色の湖面が氷の表情に変わる。弟子屈らしい冬の造形美が展開し、ダイヤモンドの風景が広がっていく。

てしかが郷土研究会(藤江)