2018.01.01
歴史写真館NO.49 くけ台
布を折り曲げ、縫い目を見えないように縫うことを「くけ縫い」と言い「くけ台」は、裁縫で和服を仕立てるときに使う道具です。
垂直になった棒の先の上に付いている丸いところは、縫い針やマチ針を刺しておく針山で、その下にあるのが布の端をつまんで引っ張っておくかけはりです。使うときは、床についているところに座布団を敷いて、くけ台を固定します。270度逆にすると、折りたたんでしまうことができます。
垂直になった先の針山には、綿花などを詰めていますが、髪の毛を入れることもあったのです。髪の毛に付いている脂が縫い針に適当に付いて、針運びがなめらかになったり、サビにくくなったりします。古い映画などで、おばあさんが縁側や茶の間で縫い物をしている場面で、何とはなしに手に持っている針で頭をかく仕種を見ることがあります。針に頭の脂を付けていたのですね。
洋服でいすとテーブルの生活になり、和服を着ることがなくなった今では、 使うことも見ることもなくなりました。
てしかが郷土研究会(松橋)